<マウンテンバイクの知識>
2007/09/28 日記<マウンテンバイク>
マウンテンバイク
マウンテンバイク(mountain bike、MTB) は山岳地帯などにおける急坂降下(ダウンヒル:DH)、段差越えなどを含む広範囲の乗用に対応して、軽量化並びに耐衝撃性、衝撃吸収、走行性能および乗車姿勢の自由度等の向上を図った構造の自転車のこと(「マウンテンバイク等安全基準」(社)日本自転車協会より)用途によって様々な形態が存在する。
歴史
1970年代後半にアメリカ合衆国カリフォルニア州サンフランシスコ郊外のマリン郡で、ヒッピー達が急勾配の山をビーチクルーザーや実用車 (自転車)|実用車などで下ってタイムを競った遊びが始まりといわれている。同時期に北カリフォルニアでも同じ遊びが発生していたが、一般的にマリン郡がマウンテンバイク発祥の地と認識されるのは、マリン郡のマウント・タム(タマルパイアス山)で行われていた当時最大のレースによるところが大きい。初期の改造ビーチクルーザーは必ずしも完成度は高くなく、ゲイリー・フィッシャーは『クランカー(ガラクタ)』と呼び、山を降りるたびにヘッド部やハブ (機械)|ハブのグリースを詰め替えなくてはならなかったので、『リパック(Repack)』とも呼ばれていたが、ともかくも地域の自転車好きには新しい自転車の遊びとして浸透していった。この改造クルーザーは急降下にも確実に操作を行えるよう制動力の強いオートバイ用のドラムブレーキハブなどを用い、また山を登攀するために自転車旅行|ツーリング用自転車であるランドナーのトリプルクランクや変速機を装備していた。やがて1977年にジョー・ブリーズが量産の専用フレーム「BREEZER」を、1978年にはトム・リッチーが「リッチー」マウンテンバイクを製作、山や丘陵の荒れ野で遊ぶ自転車として定着させたが、何よりもマウンテンバイクが全世界に定着した役割は1981年にスペシャライズド社が出した『スタンプジャンパー』が大きいであろう。初めて量産体制で製造されたこのマウンテンバイクは新たなジャンルの自転車としてたちまちに全米に広がり、そして世界中に広まる事になった。自転車としてマウンテンバイクが果たした役割は大きい。例えば発展途上国では今までのロードスター (自転車)|ロードスター型自転車のタイヤ規格(26インチWO)に代わってマウンテンバイクの規格(26インチHE)が普及しつつあり、マウンテンバイクの車体自体も浸透しつつある。また先進国では、かつてロードスター (自転車)|ロードスター型自転車に求められた用途にマウンテンバイクが用いられており、技術的にもマウンテンバイク競技で培われた技術がロードレーサー|ロードバイクなどに転用され、自転車競技に新たな刺激を与えたものは多い。このような事実から、現在マウンテンバイクは自転車の世界基準となりつつあるといってよい。
年表
日本の歴史
1980年代後半に日本に第一次マウンテンバイクブームが訪れる。オートキャンプの浸透やアウトドア・ブームとともに、レジャーとしての認知度が高かった。当時は各地で手作り的なローカルレースが開催され、スポーツとしての認知度も増していった。*1984年 - 奈良県との府県境にある京都府相楽郡南山城村「大河原グランドキャニオン」にて、日本初のマウンテンバイク大会が開催。
特徴
フレーム
かつてはクロームモリブデン鋼|クロモリ鋼が主流素材だったが、1990年代中ごろから軽量化目的でアルミニウム合金|アルミ合金に置き換えられ、現在ではアルミが主流となっている。しかし、クロモリ鋼の持つ耐久性・展性・修理の容易さといったメリットは、ハードな走行を伴うマウンテンバイクと相性が良く、軽量性を重視しない(特に非競技指向の)ライダーには現在も愛好者が存在する。他に炭素繊維|カーボン・マグネシウムなどの新素材がマスプロメーカーから出されていたり、優れた特性からチタン合金がハンドメイドで作られていたりする。フレームには荒れ野の衝撃を想定して補強が入っているものが多い。長らく形状はダイアモンドフレームが主流だったが、現在は競技の細分化に対応して、フレームもその競技や用途に特化し細分化されている。例えば、前後にサスペンションが装備されたフルサスペンションフレームはダウンヒルモデルのように競技指向のものとフリーライドのように険しい山岳走行に適したモデルに分かれ、同じダイアモンドフレームでもクロスカントリー競技と、BMXの要素を持たせたストリート (自転車競技)|ストリートモデルに分かれている。フルサスペンションのフレームでも基本的に前三角と後ろ三角が分かれてピボットで結んだ派生型のものが多く見られるが、ダウンヒル競技など強度が求められる競技に特化したものになると、フレームが全くダイアモンドフレームから派生していないフレームもある。
ハンドル
クロスカントリー競技では悪路・荒地での安定のよいフラットハンドル(ハンドルの握りと支持点がほぼ一直線上に並んだ形状―ブルムース・バーという)がほぼ主流、ダウンヒル、デュアルスラロームなどの降下やフリーライドにはライズバーと呼ばれる、末端まで少し上向きに上がった、肉厚のハンドルを使用する。クロスカントリー競技やツーリングなどではバーエンドバーと呼ばれるアタッチメントをハンドル端に装着し、乗車ポジションの多様性を増加させることも多い。
ホイール
車輪|ホイール規格としては26インチHEが主流である。走破性の高い29インチ(クロスカントリー向き)や、取り回し・軽量性に優れる24インチ(フォークロスやストリートトライアルなどで使用されることがある)、さらに取り回しを重視した20インチ(バイクトライアル用)などの選択肢もある。軽量性と頑丈さがおおむねトレードオフ(二律背反)の関係にあるため、用途に応じた選択が必要になる。
タイヤ
オフロード用のブロックパターンを持ったブロックタイヤと、舗装路用のスリックタイヤに大別される。1.0インチ幅の非常に細いスリックタイヤから、4インチ幅という極太のブロックタイヤまで存在し、タイヤパターンや重量なども非常に多様性に富んでいるため、用途やコース、路面状況に応じて選択することができる。クリンチャータイヤが主流だが、ハイエンドユーザーにはチューブレースタイヤもかなりのシェアを広げてきている。
ブレーキ
泥づまりしにくく、左右からゴムパッドでリムを押さえるリムブレーキが主流、初期はカンチ・ブレーキを使用していたが、現在ではV・ブレーキが主流となっている。また近年ではディスクブレーキの台頭が目覚ましく、制動性能に優れ、近年の軽量化から競技では主流となった。
サスペンション
創成期のMTBはクロームモリブデン鋼|クロモリ鋼のリジッドフロントフォーク (自転車)|フォークを使用しており、これでダウンヒル競技も行われていた。しかし1990年代初頭から路面からの衝撃を吸収するサスペンションを装備し始めて、現在ではフロントサスペンションはほぼ標準装備となっている。また前輪だけでなく後輪用のサスペンションを備える場合がある。フロントサスペンションのみ装備するMTBを「ハードテイル」、前後にサスペンションを持つものを「フルサスペンション」と呼ぶ。近年ではサスペンションを採用していない車体の方が少数派であり、そのような車体を「フルリジッド」と呼ぶ。サスペンションの衝撃吸収材は初期のものはエラストマーとスプリングのみだったが、現在では圧縮空気やオイルも一般的。また細分化が進み、ストローク量の多様なモデルが多い。通常ではストローク量の大きいものはダウンヒル、デュアルスラローム、ストリートなどに、少ないモデルはクロスカントリーで使用される。近年では、路面に応じてストローク量を簡単に変更できる(可変トラベル)、手元操作でサスペンションを稼働させなくさせる(リモートロックアウト)、ペダリングのトルクによるサスの動作を軽減する(アンチボビング)などの様々な付加機能を盛り込まれたモデルが市場に送り出されており、もっとも進化の激しい自転車用パーツのひとつである。
コンポーネント
基本的に各種部品はロードレーサー|ロードバイクと大差はない。ただ違いがあるのはMTB用パーツは泥詰まりにつよく、耐久性を持たせており、また低速のギアに対応した作りとなっている。MTBの部品に関しては創成期より日本メーカーがMTBの進化に合わせて部品も進歩させ洗練させ、普及させたという時代背景があるので、日本メーカーのシェアは90%以上となっている。クロスカントリー競技を想定した構造となっているものが長年基準であったが、ここ近年では細分化が進み、ダウンヒルやフリーライド走行を前提とした耐久性を高めたブランドも登場している。
名称に関する注意
「マウンテンバイク」という名称はその創成期のメンバーであるゲイリー・フィッシャーが最初に名付け、現在ではゲイリーフィッシャー社の登録商標となっている。そのため商標のトラブルを避けるために他のメーカーが『ATB (''All Terrain Bike'') :全地形対応型自転車』と呼びかえられたこともあるが、現在は「マウンテンバイク」の名前が一般名詞化している。名称に関して注意したいのはマウンテンバイク登場以前に各地でオフロード用の自転車がそれなりに発達していたのでそれと混同しないようにしたい。例えばヨーロッパでは既にクロスカントリー用自転車競技としてシクロクロスが確立して、その競技専用の自転車が存在していた。また日本でも1970年代に山岳サイクリングブームが起こり、ランドナーを改造したパスハンターさらに1980年代中盤に進化した山岳サイクリング車:MTC (''mountain cycle'')が独自にあった。これらの自転車はマウンテンバイクとは全くの別物である。
MTB類型車(通称:ルック車)
マウンテンバイクが1980年代に世界中に流行した事により、その見た目を似せて作ったMTB似の自転車が日本国内では流通している。このような自転車は『MTB類型車(通称:ルック車)』と呼ばれる。MTB類型車は悪路の走行は想定されていないため、MTB類型車で悪路を走行する事は危険であるので注意を要する。MTB類型車であるかどうかは、価格(概ね10,000〜20,000円の低価格である)や「悪路走行不可」などと書かれたステッカー、またある程度自転車部品に対する知識があれば使用されている部品などで本来のMTBとは識別可能。日本で一般的に見かけるMTBに似た多くの自転車は、このMTB類型車である。マウンテンバイクの競技種目
1980年代まではダウンヒルとクロスカントリーがそれほど二分化されていなかったが、最初に急勾配を高速で下っていくダウンヒル用と、荒地での高速走行(クロスカントリー)向けと機材の用途が二極化されていった。現在ではそれ以上に多種多様な競技が派生しており、機材もそれぞれの競技に特化して進化している。マウンテンバイクレースの項目も参照。
非競技指向のライディングスタイル
これらのカテゴリは競技種目ではないので、明確なルール・カテゴリ分けの基準が存在するわけではないが、現在の機材の細分化によりそれぞれのスタイルに特化した製品も多いので記しておく。
外部リンク
日本マウンテンバイク協会
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◆マウンテンバイクについてピックアップ 1998年 - 日本で初の国際自転車競技連合|UCI ワールド・カップが新潟県新井市で開催される。特徴 かつてはクロームモリブデン鋼|クロモリ鋼が主流素材だったが、1990年代中ごろから軽量化目的でアルミニウム合金|アルミ合金に置き換えられ、現在ではアルミが主流となっている。しかし、クロモリ鋼の持つ耐久性・展性・修理の容易さといったメリットは、ハードな走行を... |




